2004年3月1日(月)

表紙の写真:ナーンタリの教会

行程:ナーンタリ滞在(ナーンタリ・スパ・ホテル泊)

31.ナーンタリの街
32.ホテルライフ

31.ナーンタリの街

ナーンタリの街並み



展望台から見たムーミンワールド



ムーミンワールドへの入り口



凍ったバルト海の上で



魚釣り



ムーミンショップ



旧市街
 このホテルの目玉の一つは、エステというか各種トリートメントでツアー参加者には女性が多かったこともあって申し込んでいる人も多かった。しかし私は最初っからその気がなく、嫁さんも肌が弱いので合わないといけないからと申し込まなかった。そんな訳でバイキング形式のレストランのメリラピントラレストランで朝食後(朝食は宿泊代に含まれるが、このレストランはランチもディナーもそれぞれバイキング形式)、小窪さんとナーンタリの街を歩くことにする。
 ホテルから歩いて20分ほどでナーンタリの中心部に着く。ナーンタリはサーリセルカほど田舎ではないが静かな田舎町。田舎町といっても道幅を含めて街全体がゆったりとしていて明るい感じ。街を歩いているとボランティア活動をしていると思われる地元のおばさん一行が軽く声をかけてくる。北国といってもこちらの人は明るい。
 まずは教会のある丘へ。ここには展望台があり登ってみる。展望台からはムーミン谷(ムーミンワールド)のある島や大統領の別荘のある島も見える。そう、フィンランドといえばムーミン。ムーミン谷とは橋でつながっているのだが、冬の間はムーミンは冬眠に入っているということで見ることはできず。
 展望台からは島が見えるというものの、一見したら雪原に小高い森があるようにしか見えない。ところがこの雪原に見えるのが海だというから驚き。目の前に広がっているのは氷結したバルト海なのである。バルト海は大きな湾のようなものなので塩分濃度が低く凍りやすいとのこと。それで海に下りてみることにする。丘の上から下るのにもちろん普通のスノーブーツでも問題はないのだがスノーシューがほしくなる。積雪量は手頃だし、スノーシューは慣れてくると斜面を駆け下りるのが結構快感。
 ムーミン谷の入り口近くから海に下りる。見た目ほど積雪量は少なくて足の裏で雪を払ってやるとすぐに氷が現れる。これならスノーシューやクロスカントリースキーはいらない。それでいて意外と滑らない。あちこちで氷に穴を開けて魚を釣っている光景が見られる。それもおばあさんが孫に釣ってやっている様子も見られごく普通の遊びの雰囲気。
 この旅行では冬にしかできない体験やフィンランドならではのことを経験してきたが、考えてみると海の上を歩くというのも貴重な体験。本質的には凍った湖の上を歩くのと変わらないのだが、この凍った先が全世界に通じていると思ったら不思議な感覚に陥る。
 海から上がって旧市街を散策しながら中心部に戻る。旧市街は昔ながらの木造の建物が多く残されている通りだが、こちらの方が道幅が若干狭いと言うぐらいで旧市街以外でも昔の雰囲気を残した建物が結構あるので日本で古い街並みを残しているところのような、周りとのギャップは感じなかった。言い方を変えるなら残し方(残され方と言うべき?)がごく自然。
 時計のある町の中心部で解散。ここからホテルまでは一本道なので帰るにも道に迷う心配はない。私たちはお土産になりそうなものを探しに行く。真っ先に見つけたのがいろいろな小物を売っているお店。絵はがきやら不思議な模様の布製の財布やらいろいろ売っていた。財布は明るい色を使っているのに地味、それでいて模様が先鋭的で不思議な感じとしか言いようがない。このデザインの財布は大きさにいろいろあって一つのシリーズになっているようだが、その中で目を引いたのが携帯電話のケース。日本では長いストラップで電話を首からかける人もいるが、この携帯ケースはそれぐらい長いひもが付いていてやはり首からかけるようになっている。日本ではあまり見ないものだしおしゃれだったので母親のお土産に買った。嫁さんは嫁さんでいろいろ物色していて、この店には小窪さんに同行した他のメンバーも来ていたが私たちが一番最後まで粘っていた。
 お昼ご飯をどこで食べようかということになったが、まだ食べるには早いし、かといってお茶をするには遅いしという微妙な時間であった。そこでスーパーで買い物をして部屋で食べることにする。それでいろいろ探してみたが意外と手頃なものがない。パンだけだと物足りないし、かといってハムとかチーズとかパンのおかずになりそうなものは皆、量が多いのである。カップスープみたいなものでもあればと思ったがそれもない。
 結局パン数個と紙パックのジュース、それにサウナから出た後にでも飲もうと思いビールの小瓶を1本を買う。何度もここで書いているようにあまり酒には強くないのだが、食に対する好奇心は旺盛なので旅先で現地のビールを飲むことは多い。それでこの旅行中も夕食に時々ビールを注文していたが、出てくるビールは全て「KARHU」(カルフ)という熊のラベルが付いたビールだった(これを書いている時にたまたま「旅の指さし会話帳 フィンランド」を開いたらkarhuとは熊のことらしい。まさにキリンビールならぬ熊ビールである)。しかし成田からの飛行機の中で他の客が飲んでいたのは「LAPIN KULTA」という青いラベルのビールで、このラベルが印象的だったので飲んでみたかった。それで「LAPIN KULTA」を買ってみた。これ以外にも「KOFF」というブランドもメジャーなようで「KOFF」のラベルが描かれたトラックを何度となく見た。
 昨日はやや天気が悪かったが今日は再びいい天気。ホテルを出る時の気温は+1℃(3℃だったかも)。街からホテルに帰る頃には道路の雪も溶けかかって少し歩きにくい。それでも数字的には+3℃ぐらいまでしか上がっていないと思うのだが、同じ+3℃でも日本にいる時より暖かく感じる。-22℃の世界から来るとこんなものだろうか。慣れとは恐ろしい。

  (妻の独り言) まぶしいくらいの晴天に恵まれてホテル周辺の散策に出掛けました。
           町中の住宅は出窓の飾りが道を歩く人に対して楽しんでもらえるように、デ
           ザインしてあって見飽きることがなかったです。カフェカーテン、ドライフラワ
           ー、置物、是非是非日本でも取り入れたいと思うほどでした。



32.ホテルライフ
 部屋に帰って早速昼食。食事後、テレビを見て過ごす。昨日、日本語版の客室案内をもらっていたので何番がどのチャンネルかはわかるがさすがに内容はわからないので、映像だけでもそれなりに意味のわかるスポーツチャンネルを見る。ちょうどスキージャンプのワールドカップ、ソルトレイクシティ大会を放送していた。葛西紀明が優勝したのを見届けてからは眠くなってきて嫁さんの話によれば爆睡していたよう。元々、私は寝付きのいい方ではなく、反対に嫁さんはどこでも寝られるタイプなのだがここへ来て状況が逆転したようで、私が寝ている間嫁さんはずっとサッカーを見ていた。


ナーンタリ・スパ・ホテル外観

 気が付けば15:00を回っていた。もうそろそろ起きないとと思いつつもなかなか頭がさえない。それでもこのホテルのもう一つの目玉である「スパ パラダイス」(プール&サウナ)に入ってみないとと思っていたので何とか起きる。嫁さんは私のことを心配していたようだが、せっかくこのために水着を買ったし、実のところフィンランドに来たというのにここまでサウナに入っておらず一度は入っておきたかったので嫁さんを説得して二人で行ってみることにする。プール(サウナ)までは水着の上にバスローブを着ただけで、しかも部屋のスリッパで行けるので手にするのはバスタオルと部屋の鍵だけ。


ルームキー お持ち帰り自由です(スキャナーで取り込み)

 サウナとプールの位置関係がわからなくて少し迷ったが同じ入り口ということがわかる。男女別の入り口を入ると更衣室があり(もちろん鍵付きのロッカーあり)、次の扉を入るとシャワー室、さらにその先にプールの入り口があってその両脇の扉がサウナ。そこで軽くシャワーを浴びた後まずはプールへ。
 プールサイドを歩いていると嫁さんが先に着ていたが足をつけているだけで中に入っていない。どうしてか聞くと深くて入れないのだという。それで私が入ってみると確かに深い。私の方のところまでは優にある。そういえばプールの入り口に一番深いところは153cmあるというようなことが書いてあった。それでは嫁さんが深く感じるのも無理はない。153cmといえば嫁さんの身長と同じである。
 そんな訳で嫁さんは脇にあるジャグジーに入っていた。かくいう私はプールの中をウォーキング。実は私は全くのかなづち。だから今まで水着を持っていなかったのである。さらに言えばプールなんて入るのは20年以上ぶり。それでも水中歩行は足腰を鍛えるのにいいトレーニングになるというし、ここのところ登山に向けてのトレーニングをやっていなかったのでちょうどいい。
 ここには屋内だけでなく屋外にもプールがある。もちろん屋内プールとはつながっており同じ温水になっているので水は冷たくないのだが真冬に屋外プールという経験もそうは出来ないので二人で行ってみる。嫁さんはプールの底に足が届かないので私が背負って連れて行った。水の中なので重さはあまり感じないが、嫁さんをおんぶするのはこれが初めて。改めて夫婦であることを実感(。-_-。)ポッ。
 真っ白な景色の中で水の中に浸かっているというのはこれまた今までに経験したことのない不思議な感覚。フィンランドにはサウナの後雪の中に掘ったアヴァントと呼ばれる氷のプールに入る習慣があるが、気分だけアヴァントの中。日本で真冬に露天風呂に入るのとはちょっと違う。
 このほかローマ式プールとプールサイドにはバーもある。ローマ式プールは他のプールより水温が高く、底も浅いので日本の温泉に近い。バーはルームナンバーだけで注文(精算はチェックアウト時)できるが、プールに来たのが16:00前だったのでプールサイドでのんびりと言うには気分的に時間が遅く感じたので何も注文せず。
 サウナは50℃のトルコ式スチームサウナ(混浴)と80℃のフィンランド式サウナ(男女別)がある。私は混浴に抵抗があったので(嫁さんと二人きりならともかく・・・)、フィンランド式に入る。サウナは水着禁止らしいがどうしたらいいかと思ったら、シャワー室にフックがありみんなそこに引っかけていた。まさか男物の水着を盗む奴もいないだろう。そしてその近くに置いてあるペーパータオルのような紙を1枚とって中へ。先ほどとった紙をお尻に敷いてベンチに座る。80℃と聞いていたが中の温度計を見ると85℃。しかし日本で入るサウナに比べて柔らかい暑さ。フィンランド式サウナはサウナストーンと呼ばれる石を熱して部屋の温度を上げるのでこの石が重要と聞いたことがあるが、熱が柔らかく感じるのはこの石のせいだろうか。これなら日本でサウナに入るより長い時間入っていられる。時折このサウナストーンに水をかけるがその柄杓や桶が木製で何とも日本っぽい。冷静に考えるとフィンランドは木が豊富な国だし、サウナのような高温のところでは他の素材ではとても持てたものではないから必然的に木製になるし似てくるのはわからないではないが、あまりにも似ている。サウナを出てシャワーを浴び、プールに入り再びサウナというサイクルを2回ほど繰り返して部屋に戻る。プールに入る前は、嫁さんが心配するほど疲れが表面に出ていた私であるがこれで十分リフレッシュ出来た。


部屋の中

 部屋にはまだ嫁さんが帰ってきていなかったので洗面所で水着を乾かしてビールにする。このホテルもタオル掛けにヒーターか温水が入っているのでそこに掛けておけば水着ぐらいすぐ乾く。ビールは昼食前にベランダに積もっていた雪の中に埋めておいたので、しっかり冷えている。サウナの後の冷たいビールはいいものだが、「LAPIN KULTA」は「KARHU」よりやや苦みが強かった。ビールを飲むくせに元々苦みには弱く、特にこういう時には一気に飲める苦みの弱いビールの方がいい。しかし両方とも癖はないし後味すっきりなので飲みやすい部類のビールだと思う。


部屋の中からの夕日

 昨日もらった客室案内には各レストランの日本語メニューも付いていたので夕食を何にしようか考える。やはり当地でしか食べられないものを食べたいというのがあるのでその点から言うと興味をそそられるのは昨日の夕食場所であるパビリヨンキレストランとタンミケッラリレストランのにあるザリガニ入りのシーザーサラダややはりタンミケッラリレストランにあるザリガニ入りピザ。ザリガニはスウェーデンやフィンランドの名物。本来の旬は夏らしいので冷凍物か何かと思うが、せっかくの機会だし食べてみたかった。それでタンミケッラリの方がピザやスパゲティのようななじみのあるメニューなのでこちらに行くことにした。
 注文したのはシーザーサラダザリガニ添え、カサレッセ アラ サーモン(要はスモークサーモンのスパゲティらしい)、スパゲティ カルボナーラ、フルーツ ディ マーレ(小エビ、スモークしたムラサキガイ、ザリガニ、ツナのピザ)。私としてはデザートに、伝統的なフィンランドのデザート"貧しい騎士"も注文したかったが嫁さんにストップをかけられる。
 しばらくしてカサレッセ アラ サーモン以外の料理が一度にやってきた。ピザは生地の薄いタイプで私の好み。お目当てのザリガニはサラダもピザもむき身が入っていたが、小振りでやや淡泊な味の伊勢エビといった感じでどれもおいしい。ただ、全てビッグサイズであまりの量の多さにだんだん食べるペースが落ちる。特にシーザーサラダは前菜として注文したつもりだったが(主菜として注文もでき、2ユーロ高い)、チーズでおなかがもたれてきてとても食べきれない。どうやらカサレッセ アラ サーモンは注文を飛ばされたようだがもう充分。デザートも嫁さんのいうことを聞いておいて正解。
 ここまでこのツアーは時間にゆとりを持った行程だったが、明日の朝だけは6:15モーニングコール、7:30出発とせわしい。スーツケースの中を整理してとっとと寝てしまう。

  (妻の独り言) プール、サウナ、北の国でプールに入ることが出来るとは思いもよりません
           でした、サウナは通常のサウナとミストのサウナがあり。私はどちらも気に 
           入り何度も出たり入ったりしていました。また、露天風呂というか室内プール
           が屋外とつながっていたのですが、外に出てびっくり自分の体から湯気が出
           ている・・・。寒いんだけど、外の冷たい空気がまた気持ちよくて爽やかでし 
           た。